ときどき、ポルトガル語がスラスラだと誤解されることがあるのだが、実は半年しか習ったことがない。それも、ブラジル人ではなくポルトガル人から。週一回、きわめて怪しいポルトガル語歴である。
スペイン語を少し習っていたので、またブラジル音楽が好きだったので、その先生は私が発音をすると露骨に嫌そうな顔をした。スペイン語風、かつブラジル訛りというのが、許せなかったようだ。対照的に、フランス語風に発音する女の子などには、極めて嬉しそうな顔をしていたように思う。
ポルトガル語の歴史はそれほど古くないが、大航海時代にいきなり「国際語」になって、そして速やかに衰退した。
『海の見える言葉 ポルトガル語の世界』は、ポルトガルから西アフリカ、大西洋、ブラジル。また東アフリカからゴア、東ティモール、マカオなど、世界中に辛うじて残った「ポルトガル語圏」と言葉について語る。
クレオールをはじめ、現地での経験をまじえた具体的な著述はとても面白いが、少し舌足らずな印象もある。
日本もまた、わずかな語彙を残すのみだが、かつてポルトガル語圏と接した歴史がある。
また、今、ブラジルからの移民によって、有数の「ポルトガル語話者の多い国」になった。
感慨深いといえば、感慨深い。
私は「ボタン」「ジュバン」「金平糖」など、日本語のなかに残るポルトガル語起源の言葉だけを使って歌でもつくれないかと一瞬考えたが、今のところうまくいってない。
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