2011年4月28日

ボールとたま(読書)

いろんな意味で対照的な2つの本だが、どっちも好きだ。

若宮健『なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか』
文章も内容も繰り返しが多く、まるで整理されていないが、正義感に満ちた本。最近、ようやく原発の悪口を公の場で誰もが言えるようになった感じがするが(そうでもないのか?)、パチンコはまだまだな気がする。
パチンコは球がないと成り立たないと思ってたが、韓国のそれは「球なし」だったようだ。つまり、たまは「遊戯である」という苦しい言い訳に相当するが、本質は「たまのないところ」にあるわけだ。

平出隆『ベースボールの詩学』
詩人によるベースボール論であり、同時にボールの形をした詩論でもある。本自体がひとつの詩のような、ある意味で完全な姿をしている。こういう本は、これからなかなか生まれにくいのではないか、とぼんやり思う。

小学生の頃、私は野球チームに所属していて、それなりに野球を愛していた。もっと遡れば、公園や道路でカラーバットとゴムボールの野球を日が暮れるまでやっていた世代。怪しげな妄想とともに一人で壁にむかって野球をするのも、楽しかった。
不幸なことに、その後、野球とはどうも仲良くなれない。たぶん、野球を愛していたのに、自分があまりに下手なのでギャップが大きすぎたのだろうか? 
剛速球を打撃する欲望というこの本の中心テーマはすごく理解できるのだが、「そうだよね!」と力強く言い切れないのがもどかしい。まあ、野球の上手な人はこんな本を読まなくても十分に幸せということかもしれないが……。

南国系?(読書)

サルマン・ルシュディ『ムーア人の最後のため息』
インドとイベリア半島の関係を背景に描いたルシュディ(ラシュディ)の壮大な小説。個人的にちょっと思い入れのある本で、十数年翻訳を待っていた。ストーリーは非常に濃密であり、確かに「究極のマサラ小説(帯のコピー)」かもしれない。

和田昌親『ブラジルの流儀―なぜ「21世紀の主役」なのか』
気楽な読書ではあるが、内容が薄すぎる気も。こういう本が普通に出るくらい、ブラジル経済が好調ということだろう。

西條勉『「古事記」神話の謎を解く―かくされた裏面』
海幸・山幸と浦島太郎とか「日向三代の物語」のところが印象的だったので、私のなかでは、これも「南国系」。
関係ないけど、最近私の母が兄に日本神話を読み聞かせる古いテープが発掘された(スサノオが泣いて暴れたりするところ)。結構力が入っていて、迫力がある。私は童話とか絵本といったものより、神話や昔話みたいなもののほうに魅力を感じることが多いが、たぶんこの辺にルーツがある。

2011年4月11日

Japao (A Paz)

ジョアン・ドナーとジルベルト・ジルの共作で「A Paz(平和)」という曲がある。
歌詞には「Japao」という言葉が入っていて、少しどきっとする(詳細はここに書かないけど)。
私もだいぶ前に訳して歌ってみたのだが、A Pazというところをへいわ~♪と歌うとどもしっくりこなくて、最近は歌わなくなっていた。
尊敬する大貫妙子さんは、この曲に「Japao」というタイトルをつけて歌っている。

Japao 渡り鳥の群れ 北へ帰る春
月夜の島影 またたく漁り火 入り江のさざめき
……
Japao あなたと歩こう 手をつないで歩こう
あなたのいる場所 いつか帰る場所 その胸のなかへ


という感じ。これのほうがずっといいかもと思うので、次回のイベントで歌ってみることにしよう。
「ジャパン」と名のつくイベントを考えたのは、ほんの偶然で軽い意味しかなかった。
今は、少し重い感じもあるのだけど。

私はイベント冒頭に、これを含めて2曲ほど演奏する予定です。
その後、ノヴ吉田さん、heliさん、柴原公明(しばろん)さんが素敵なライブをやってくれます。
また、こんなときなので、出来るかぎりお客さんにも演奏していただいて、みんなで楽しめるよう、飛び入りの時間も設定しました(9時半くらいから)。

ぜひ、気軽に遊びにきてくださいませ。
歌ったり、おしゃべりしたり、飲んだりしましょう。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ボッサ Made in Japan@大塚
2011/4/17(日) 19:00open 19:30~
Charge 1000円+オーダー
場所: Espeto Brasil (豊島区南大塚3-29-5光生ビルB1)
http://aka.gmobb.jp/espetobr/index.html

*チャージは演奏者のカンパを加えて今回の地震被災地への義援金となります。

選挙メモ

特にまとまった考えがあるわけではなく、差し迫って誰かに意見を伝えたいとかいう話でもない。
なんとなく気になったので、後で自分で確認したくなるかもしれないし、メモしておく(老化)。

奇妙な選挙だった。都知事選の結果はほぼ予測通りだったし、結果がどうという話ではない。
そもそも、ほとんどの人に今、選挙とかやってる場合なの? という思いがあったんじゃないだろうか。
それでも、奇妙な「義務感」があり、人々は動いた。静かに、淡々と、表情を変えずに。
なんていうか、選挙自体、自分を含めた「幽霊たち」がやってるような、そんなヘンテコな印象があった。いまひとつうまく言葉にならないので、もどかしいのだけど。
でも、なんとなくこの雰囲気は不吉だし、危険な香りも少しする。

以下は、私自身の投票行動など箇条書き。
・長いことAdios Americaという曲で「石原いらない」と歌っている通り、反石原を標榜している。嫌いなのは、特に彼がレイシストだという点だろう。
・混乱に乗じて「東ブーム」みたいなのが起きたら、石原支持もありうるか? などと考えたが、起きないようなので、いつも通り共産党に入れた。今回は原発のこともあり、もう少し善戦するかと思ったが、それはなかったようだ。
・自分たちの「発電機」が大暴れし余所さまで迷惑をかけ、都民もびびってるときに「東京は日本のダイナモ(発電機)」。あまりにも不謹慎すぎるのか、単に訳がわからんのか、誰もとりあっていない様子。
・わりとまともに見えるのが極右(?)と共産党、という状態は、しんどい。
・減税党は地方レベルだと正直よく分からないが、国政レベルなら意味もあるんじゃないのかと、ぼんやり思う。復興の話をすると必ず財源、とかいってブレーキをかけてる今の状況はよくない。

2011年4月9日

かみさまのごかご

とことん愉快で元気な曲にしようと思ったのだが、出来てみるとそうでもないかな。
ひねくれた陰気な性格はよくない、と本当に思う。
ジャヴァンみたいな、かっこよくも楽しい演奏はできないし。
でも、精一杯の脳天気さ、根拠な希望、から元気などをこめてみました。
「神さまのご加護、きっとあるよ♪」

ジャヴァン「神さまのご加護 E Que Deus Ajude」
http://ott.sakura.ne.jp/ottnet/songs/deus.mp3

仕事やめよか 未来のスター
あしたリオデジャネイロゆく 高速列車にとびのる
昨日の僕にはさよならさ さよなら

あした晴れたら出かけるのさ
夏は)リオデジャネイロゆく 2月はすてきな季節さ
昨日の僕にはさよならさ さよなら

誰もあらがうことのできぬ魅力でアメリカも夢中
行く当てのない広いリオデジャネイロで
神父の友だちが 友だちの 友だちが「神さまのご加護あれかし」と
あるといいね あるかもね
「神さまのご加護あれかし」と あるといいね あるかもね
あるかもね きっとあるよ きっとある