2007年7月24日

低調な日々の充実した読書記録

わりと低調な日々である。
風邪もひいたし、音楽もなんかピンとこない。
でも、そういうときこそ読書生活が充実してたりするものだ。

ノーマン・レブレヒト『巨匠神話 誰がカラヤンを帝王にしたのか』
クラシックの指揮者というのが何となく胡散臭いなあと昔から思っていた。
これを読んで謎が解決されたというわけではないが、面白い部分もあった。
しかし長すぎる。翻訳も読みにくい。

福岡正信『自然に還る』
この人の本ははじめて読んだ。冒頭の写真にインパクトがある。
爺リーグにノミネートできるだろう。
中身も、言いたい放題で面白い。
欲が出て(?)松茸の培養に挑戦したあたりが個人的にもっとも笑えた。

福岡伸一『生物と無生物のあいだ』
話題の書。海岸の砂でできた城の喩えが美しい。
ちょっと名文を気取りすぎな気も少し。でも、もっと読みたい。

マオバ・タハン『アラビア数学奇譚』
ブラジルの数学者が書いたという不思議な本。
アラビア数学の本というより、数学を小道具に使ったアラビアン・ナイト風の物語という感じ。

杉本良男『インド映画への招待状』
分かりやすくまとめてもらって有り難いが、これを読んでも特に「この映画見たい!」とならないのは、まあそういう性格の本じゃないということか。

2007年7月20日

極悪人としての小説家

藤原章生『ガルシア=マルケスに葬られた女』



ガルシア=マルケスについては、前にこんな文章を書いた。

面白い物語をつくるためなら何でもする、そんないわばモラルを欠いた作家が、現実の事件を元にした小説を書き(『予告された殺人の記録』)、モデルたちを苦しめた。
日本では割と最近、柳美里の本が出版差し止めになった記憶があるけど、そんな感じだろう。
著者の怒りや疑問も、それなりにもっともである。
でも、まだ見ぬ被害者の女性への手紙という何やら思い入れたっぷりの形式には、最後まで馴染めなかった。

どう考えても「真っ赤な嘘」であるのに、もっともらしく書くことで、現実よりも本当らしい物語をつくる。
これが、ガルシア=マルケスの一番面白い部分だと思う。
だから著者が指摘するように、フィクションの名を借りた現実の歪曲や、ノンフィクション執筆時のでっちあげといった悪事と、深い関係がある。
その部分を、もっと鋭くえぐってほしかった。

ガルシア=マルケスがついた「真っ赤な嘘」のなかで、
『予告された殺人の記録』で女性が手紙を書き続けたエピソードは、それほど上手な嘘ではなかったように思う。
ついでに、『わが悲しき娼婦たちの思い出』が悲しき失敗作であるという見解にも同意せざるをえない。

2007年7月18日

宇都宮ライブ

下記ライブは時間と場所が変更になりました。
ご迷惑おかけして申し訳ございません。(7/27)

8月4日(土)15時~
@ノーキンス
宇都宮市池上1-1中央ビル2F
(県庁前の通りと大道りの十字路の場所、ローソンの隣あたりのビルの2F)
028 651 3877
出演:Gypsy Vagabonz, OTT
チャージ:前売り1500円  当日2000円で1ドリンクつき

2007年7月11日

デレク・ジャーマンの庭




日本語版を仕事のため図書館で借りた。
美しい本だ。欲しくなったのだが、品切れのようだ。
英語版を買おうかと悩んでいる。

2007年7月9日

屋根の上のぽえ鳥

下記イベントは11月に延期となりました。
改めて告知させていただきます。
ご迷惑おかけして申し訳ございません。(7/27)


来週末はポエトリーリーディングのイベントに出ることになっている。
ポエトリーリーディングとは、 単なる詩の朗読なのか、違うのか、
私は行ったことがないから分からないが、
甘いものも出るらしいから、
きっと幸せな会に違いない。

「Poetry On The Roof」
7/15 (Sun) 17:00~ (16:30開場)
場所:三軒茶屋 レインオンザルーフ

太陽のひかり。波のしぶき。星のまたたき。夏の日のきらきら。ボサノバユニットうさぎちゃんをゲストにお迎えします。ゆったりとお家感覚のリーディングをお楽しみください。スウィーツでのおもてなしも致します。
テーマ: きらきら
■出演者 ■ Poetry reading 小枝真実子、藤田梨絵、古川久美子 and more ...
■ Guest うさぎちゃん 日本語ボサノヴァのマエストロ、OTT(あっと)と、不思議系パーカッショニスト、ITT(いっと)によるボサノヴァユニット