2010年6月22日

サムライさむらい

先月の国立・奏ライブでご一緒させていただいた杉山茂生さんが弾き語りしておられた、
ジャヴァンの「サムライ」という曲。カッコいいなあ~と思って、私もやってみた。
とはいえ、いかにも地力がないと貧相になってしまう、そういう種類の曲ではある。
そのうち多重録音をがんがんやってベースやホーンも入れて派手に誤魔化したい。

サムライ Samurai
http://ott.sakura.ne.jp/ottnet/songs/samurai.mp3

歌詞のほうは結構ばかばかしくて気に入っている。

愛、思いは報われぬのか?
愛、何ゆえ 心は生かさず殺さず
愛、すなわち誠の心
愛、いつしか志も届くのなら
光、照らす 心の奥 それはまるで 戦う 愛の力
跪くだけさ あなたを愛してるよ サムライ
負けて幸せ 降伏するよ


国際語としての「サムライ」というのは、まあこんな感じかな~と思う(テキトー)。
原詩は「愛」が強力なサムライで「それに喜んで仕える」みたいな感じだが、
私は例によってもう一歩思い切ってさらに情けない感じにしてみた。

2010年6月12日

エスペトライブ

先日のエスペト・ブラジルのライブの報告です。
いいライブだったと思います。
PAが格段によくなっていて、その影響も大きかったかもしれない。
あと、先日やってきたボサノヴァの神様も(笑)

そして、一緒にやってくれた音楽仲間にも深く感謝。
誰が奏でる音であれ、一音一音がだんだん貴重に思えてくるのは、年齢のせいかしら。


↑高校時代の親友が撮ってくれた写真。
彼が言うには、今までのライブとは全然違ったって。嬉しいやら、悲しいやら。
幸い(?)、しばらくライブの予定がないので、少しゆっくり音源でもつくってみようかと思う。

ゴージャスなあの娘のサンバ E Luxo So


Brasil Pandeiro ブラジル・パンデイロ

2010年6月5日

カンデイアス

世の中には難曲と感じられるものが結構あるが(少なくとも私にはそうだ)、これもそのひとつだった。
エドゥ・ロボ「カンデイアス」
http://ott.sakura.ne.jp/ottnet/songs/candeias.mp3

歌詞も、なんだか最後のところで妙に幻想がかってしまい、迷子になる。
「とにかく幻想的って感じかなあ」といい加減に思いながらつい「まぼろしの……」と訳した。
詩人であれ詩の訳者であれ、これは反則というか、恥ずかしいので普通はやらない。

愛する場所 あなたのカンデイアス
愛するあなたがいるから
離れ行く土地に未練はないよ
懐かしい思い出話もないし
シダの葉の揺れるあの浜に戻る
輝ける月の 真っ白な光照らす
あなたの透明な瞳のなかには
あるのさ 望むもののすべてが

愛する場所 あなたのカンデイアス
愛するあなたがいるから
離れ行く土地に未練はないよ
懐かしい思い出話もないし
今すぐ帰ろう あの遠い場所が
どこにあるのか 波間を揺れる船
白い巡礼は 幻のバイーア
白いろうそくの 幻はバイーア

ボサノヴァの神様

このブログの読者のなかには「ボサノヴァの神様」などと書くとすぐにジョアン・ジルベルトのことを思い浮かべる方も多いかもしれない。でも、これはそういう創世神話のことではなく、どちらかというともっと情けない、ショボいものの話である。
その超自然的な存在が、私のところへ突然やってきたのは数日前のことだった。
薄汚い灰色の服を着ており、一見してありがたい神様というより、貧乏神のよう。
だが、私の右手に触ったかと思うと「そこは逆だね」と小さな声で言い、じっと私の目を見つめたのだ。視線にはちょっとした憐れみというか、どんよりした鬱な気分が漂っていた。
私は、悲しくなってすがるように言う。
「十年もギター弾いてきたんです。もう、どこにも行かないでください!」
すると神様はますます気の毒そうな顔をして、しかし何も言わず、そこにごろんと寝転がった。ぷーんと鼻につくような臭いが漂ってきたが、私はギターを弾き続けた。