私はわりと昔から文章を書くのが好きだったが、最初に詩を書いたのがいつかは覚えていない。
たぶん、ふつうに学校で先生に書かされたのだろう。
そして、恐らくものすごくつまらないものだったに違いないと思う。
というのは、当時の私はわりと「優等生」であり、先生が喜ぶようなツボを知っていたからだ。
ポジティブであり、子どもらしく(胡散臭い言葉だ)、素直であり(これも)、明るいもの。
実際に、先生はそういう詩ばかりを褒め称えた。
あるとき、私はそういうものが詩ではないことを突然感じた。
6年生のときだ。私はちょっとした反抗期を迎えていた。
クラスメイトが書いた詩を、先生が批評していた。
「悪い詩」としてやり玉に挙げられていたのが、サカちゃんの書いた詩だ。
彼は私と同じように、大変痩せている。
そして彼は自分の育てた植物が、なぜか自分に似てひ弱なことを、詩で指摘していた。
先生はたぶん、植物がひ弱なのは「似ているから」ではなく、単に世話の仕方が悪いのだと捉えているようだった(その通りである可能性は、高い)。
そのため、このやや無責任な感じのするサカちゃんの詩に怒りをぶつけていたのだった。
しかし、私には「自分の育てた植物が自分に似る」というこの不思議な現象のなかにこそ、詩があるのだと感じられた。
先生への反感もあって、私はそのような趣旨のことを発言した。
この詩が一番いい、自分はそういう詩を書いたことがない。
私にとって「ポエジー」の原点は、ここにある。
したがってそれは、どこかで「情けなさ」と結びついたものだ。
花といえばポジティブなものという、J-POPの歌詞は、だから全然ピンとこないのだ。
2 件のコメント:
初コメント~!うまく投稿されるかな?w
こういう日記、好きだなって思った。
内容に共感しちゃったりしたけど
やっぱりOTTさんのもののとらえかたが好きだな~。
花とか植物が無条件にポジティブなイメージになっていることに、
あんみつは小さい頃から疑問を感じていて、
むしろなんで自分はそうポジティブに
捕らえられないのだろうかと悩んだこともw
関心が無かったのもそうだけど・・・w
でもこの日記のOTTさんの考えとか
サカちゃんの考えとか、何か通ずるものを感じた~。
っていうかせっかく作った詩を
クラスのみんなの前で批評するなんてちょっとヤダ。
わー、初コメント、ありがとう~。
そうそう、花や植物ってときに気味悪いものだったりもするよね。
でも、「花を見てたら気持ち悪くなった」なんて作文に書くと、大人の機嫌を損ねることを、子どもは知ってる。
この先生はかなりアクが強くて、ちょっと変わり者だったかも。
子どもが書いた詩の悪口をいうなんて、今はタブーですよね。
でも逆に、こういう人がいてよかったな、とも思います(笑)。
「どの子どもの詩も素晴らしい」なんて言われても、つまらないからね~。
コメントを投稿