大和田俊之『アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』
輪島裕介『創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』
どちらも、すばらしい。
ページをめくるたびに新しい発見があるというような読書は、そう頻繁にあるものではない。
考えてみると、昔から演歌や黒人音楽、あるいはロックなんかについて書かれたものに違和感を感じることが多かった。
演歌が日本のブルース? ブルースは底辺の人間による抵抗のうた? え、ジャズもロックも抵抗ですか?
なんか妙に力が入ってるかなり上の世代。んでもって、こんどは逆に思想だの歴史だのは無意味とか強調しだした、ちょっと上の世代……。
ようやく、音楽の歴史も思想も経済もテクノロジーも、わりとニュートラルに語れる世代が出てきた感じがする。
(私はこれまで、自分を含むこの世代は「橋渡し」みたいな地味な役割を担うんじゃないかと、ぼんやり思ってきた。ホリエモンの世代でしょって言われるのは、悪くないけど、ちょっと違うなという感じ。
いや本当はホリエモンも、上と下をつなぐ橋渡し役なのかもしれない。)
あともしかしたら、ラテン音楽に対する意識が高いのも、この二人の共通点かもしれない。
ほぼ同世代というだけでなく、そんな意味でも親近感がわく。
最大限の賞賛をおくるとともに、今後とも応援したい。
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