先日、ブラジル映画祭というのがあって、『Palavra Encantada 魔法じかけの言葉』という作品を見てきた。ブラジル音楽を聴いていると、仮にポルトガル語が分からなくても、豊穣な詩の世界が広がっていることが「なんとなく」感じられる。なんでそんなことになってるのか、いろいろな角度から迫った面白い作品だ。
ジルベルト・ジル「メタフォラ(暗喩)」は、そのエンディングに使われていた曲。
http://ott.sakura.ne.jp/ottnet/songs/metafora.mp3あれこれ論じてみてはものの、結局、音楽というか歌ひとつのほうが雄弁であったという話ではある。
でも、言葉と音楽(歌)の関係についてかなり深いところに迫っていたような気がする。
私の訳は、かなり元の歌から離れている。隠喩と直喩の違いを歌に入れたりすると大変なので、「たとえ」という言葉の範囲におさめてしまったのだ。
でも、教育テレビ的でもあり、ちょっと気に入っている。
♪メタフォラ
たとえば言葉が心を 入れる箱なら また
たくさんの愛を 送るだろう
「喩え」は私の知らない 場所へと続く 穴
たくさんの音を 響かせる
心に秘めた思い超えた 詩人の言葉が重なれば
まるであたかもちょうどそれは
ぴったりすぎるほど
入らない そこから 思い溢れ
きわめてありふれたものが
鮮やかに形変える
喩えるのさ もっとたくさん
言葉の力は メタフォラ
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