たぶん、一番早かった「関連本」を友人が編集した。それを聞いて私は誇らしく思ったが、自分自身はヘナチョコなので、この手の本をまったく手に取れずにいる。
でも、これだけはと思ったので買ったのが、
しりあがり寿『あの日からのマンガ』
震災本じゃなくて震災マンガじゃん、というわけで、期待した以上に素晴らしかった。
読むべし、笑うべし、泣くべし。
関係ないけど、震災後繰り返し流れた映像のなかで、津波とは別に印象に残ったのは「アメリカの女性ジャーナリストが、被災者のおっさんから煎餅を与えられる」という場面だった。彼女は大袈裟に「助けを必要としているのはあなたでしょう!?」と驚く。
妻が言うには、「あの煎餅は〈雪の宿〉に違いない」とのことで、しばらく私たちは〈雪の宿〉を食べたくなることが多かった。たまに店に置いてないと、みんな同じ気持ちで買い占めしているのだろうと想像した。
レベッカ・ソルニット『災害ユートピア』を読むと、あのジャーナリストがパニクってて、煎餅を与えたおっさんが落ち着いていたのが、実はすごく典型的な出来事であったことが分かる。
日本だけではない、世界のどこでも大災害においては人々は意外に落ち着いていて、利他的な相互扶助が広く見られる。パニックを起こすのは主にエリート層、離れたところにいる人、そして土地勘のない人だとか。
これも本屋で平積みされていたのだが、実は震災前の本。ハリケーン・カトリーナ後の話はかなり衝撃的。
すごくいい本だと思うが、長くてややまとまりに欠けるのが残念。そして、あまり言いたくはないが、翻訳がいまいち。
オアハカをオアクサカ、ソカロをゾカロなんていうのは、インターネット時代の今、編集者と翻訳者の手抜きだし、いかにも英語中心主義な感じ。
安部ねり『安部公房伝』
あとがきの最後に一文が加えられていた。今後、すべての本は「震災後の本」になるのだと思った。
ひさしぶりに安部公房を読んでみようと思った。
2 件のコメント:
安部公房いいですね~。夏になると『砂の女』を読みたくなります。蝉の声を聴きながら~(笑)
おお、安部公房お好きですかー。私にとってはヒーローです。
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