昨夜、ジルベルト・ジルの来日公演にいってきた。
素晴らしかった、美しかった、楽しかった。
このバンドは、ベースやリズムセクションがすごくて、
その安定感のなかで、ジルは思い切り自由にはじけているように見えた。
音楽が一人の人間のなかからわき上がってくるのを目撃する楽しさ。
もしかしたらジルベルト・ジルという人はあまりにその内なる音楽性が豊かすぎて、
アーティストとしての顔が分かりにくく、日本ではそれほどファンが多くないのかもしれない。
レゲエ好きとかボサノヴァ好きとかサンバ好きとか、
悪しき「ジャンル性」に邪魔されてしまっている部分もあるかもしれない。
実際のところ、今回のライブもレゲエでビートルズやったり、イパネマの娘をやったり、
サービス精神旺盛ではあるが下手すると「余興」に見えなくもない部分が結構、多い。
個人的に、ジルベルト・ジルの曲をよく演奏してみるのだが、
それは非常に難しい。私の能力のなさと言ってしまえば身も蓋もないけど、
この難しさと彼の音楽がもつ特異性は、何やら通じるものがある気がする。
実際、ジョアン・ジルベルトやカエターノ・ヴェローゾの「スタイル」を真似てみる日本のミュージシャンはいくらでもいるけど、ジルの物真似は今まであまり目撃したことがない。
ところで、途中、プレゼンターの宮沢和史を迎えて「島唄」を歌うという、それこそ「余興」があった。
ジルがどんな風に歌うか、興味津々だったのだが、宮沢氏のねっとりとした熱唱により、あまりちゃんと聴けなかったのが残念だ。演奏も、よかったのに。
こういう場合、ブラジルの大物ミュージシャンだったら、
「ジル、僕のつくった曲を歌ってくれて、ほんと感激だよ!」みたいな嬉しそうな顔をして、
その演奏を堪能する「フリ」くらいはするだろう。
日本とブラジルの違いなのか、ミュージシャンの格の問題なのか。
(注:私は宮沢和史が嫌いなわけではありません。彼の歌はよくカラオケで歌うし。強いていえば、歌い方が苦手です。)
2008年9月10日
50周年と100周年
今年はボサノヴァ誕生50周年らしい。
ついでに、日系ブラジル移民100周年でもある。
どちらが社会的に重要かといえば、もちろん移民のほうだろう。
というわけで、こんな本を読んでみた。
細川周平『遠きにありてつくるもの--日系ブラジル人の思い・ことば・芸能』
力作である。
第Ⅰ部では短歌や俳句、川柳といったものから日系人が抱いた祖国への「郷愁」を分析。第二部は、「借用語」「弁論大会」のほか、日本人とブラジルの先住民(ツピ)が同じ祖先をもつというトンデモ説を展開したおじさんの話など、「移民の言葉」がテーマ。第三部はオペラ『蝶々夫人』を歌った「バタフライ歌手」、カーニヴァル、そして浪曲といった芸能について。どれも、この本でしか読めない貴重な資料を紹介しながら、独自の視点で移民史を語っている。
音楽などを通して、ある程度ブラジル文化について関心のある人なら、たとえば「借用語」の用例や、日系人とカルナヴァルの関係は実に興味深いはずだ。もっとも、大戦後の「勝ち組負け組抗争」など、移民史やブラジル文化史について基本的な解説をすっ飛ばしているところもあり(他の本で読めということだろう)、いきなり一冊目として読むには暗黙の前提としている部分が多すぎるような気がしないでもないが。
とにかく、私にとっては非常に面白い話ばかりなのだが、他人に勧めるには興味が個人的すぎるようにも思える。最後の浪曲の部分などは、読みながら、私もこういう「語り物」をいつか作ってみたいという思いを強くした(勝手にしろ!)。
あと、カルナヴァルの項で紹介されていた、日系移民をテーマにしたパレードの映像がyoutubeにあったので、備忘録的にリンクを貼っておこう。
(内容が濃すぎて、とりとめのない紹介になってしまい、すみません)
ついでにもう一冊。
しりあがり寿『人並みといふこと』
しりあがり先生は、私のなかでは同時代を感じつつ、心から尊敬できる数少ないクリエイターのひとりだ。リスペクトの嵐。
気軽に読めるエッセイ集。とはいえ、中身は結構暗い。本人は「スウィート・ネガティブ」とか言ってるが、自分でスウィートとか言ってていいのか(笑)? とも思うが、ご本人も苦笑しながら格闘している感じが素晴らしい。
(尊敬が大きすぎて、とりとめのない紹介になってしまい、すみません)
ついでに、日系ブラジル移民100周年でもある。
どちらが社会的に重要かといえば、もちろん移民のほうだろう。
というわけで、こんな本を読んでみた。
細川周平『遠きにありてつくるもの--日系ブラジル人の思い・ことば・芸能』
力作である。
第Ⅰ部では短歌や俳句、川柳といったものから日系人が抱いた祖国への「郷愁」を分析。第二部は、「借用語」「弁論大会」のほか、日本人とブラジルの先住民(ツピ)が同じ祖先をもつというトンデモ説を展開したおじさんの話など、「移民の言葉」がテーマ。第三部はオペラ『蝶々夫人』を歌った「バタフライ歌手」、カーニヴァル、そして浪曲といった芸能について。どれも、この本でしか読めない貴重な資料を紹介しながら、独自の視点で移民史を語っている。
音楽などを通して、ある程度ブラジル文化について関心のある人なら、たとえば「借用語」の用例や、日系人とカルナヴァルの関係は実に興味深いはずだ。もっとも、大戦後の「勝ち組負け組抗争」など、移民史やブラジル文化史について基本的な解説をすっ飛ばしているところもあり(他の本で読めということだろう)、いきなり一冊目として読むには暗黙の前提としている部分が多すぎるような気がしないでもないが。
とにかく、私にとっては非常に面白い話ばかりなのだが、他人に勧めるには興味が個人的すぎるようにも思える。最後の浪曲の部分などは、読みながら、私もこういう「語り物」をいつか作ってみたいという思いを強くした(勝手にしろ!)。
あと、カルナヴァルの項で紹介されていた、日系移民をテーマにしたパレードの映像がyoutubeにあったので、備忘録的にリンクを貼っておこう。
(内容が濃すぎて、とりとめのない紹介になってしまい、すみません)
ついでにもう一冊。
しりあがり寿『人並みといふこと』
しりあがり先生は、私のなかでは同時代を感じつつ、心から尊敬できる数少ないクリエイターのひとりだ。リスペクトの嵐。
気軽に読めるエッセイ集。とはいえ、中身は結構暗い。本人は「スウィート・ネガティブ」とか言ってるが、自分でスウィートとか言ってていいのか(笑)? とも思うが、ご本人も苦笑しながら格闘している感じが素晴らしい。
(尊敬が大きすぎて、とりとめのない紹介になってしまい、すみません)
2008年8月25日
追悼ドリヴァル・カイミ翁
ドリヴァル・カイミ爺さんは、ボサノヴァ・ミュージシャンというわけではないが、
多くの歌がボサノヴァのスタンダードとして歌われている。
「ボサノヴァ日本語化計画」のトップページに変な人形が2体でてくるが、
このうち、ギターをもっているのがカイミ爺さんだ(もう一人は作家ジョルジ・アマード)。
大往生を記念して(?)「Saudade Da Bahia」を訳してみた。
わりとそのまま訳したら、陰気な歌になってしまった。
やっぱポルトガル語で聴いたほうが、いいかなあ。
多くの歌がボサノヴァのスタンダードとして歌われている。
「ボサノヴァ日本語化計画」のトップページに変な人形が2体でてくるが、
このうち、ギターをもっているのがカイミ爺さんだ(もう一人は作家ジョルジ・アマード)。
大往生を記念して(?)「Saudade Da Bahia」を訳してみた。
わりとそのまま訳したら、陰気な歌になってしまった。
やっぱポルトガル語で聴いたほうが、いいかなあ。
2008年8月8日
2008年7月31日
2008年7月16日
そっとナイト

今週から、毎週月曜日のイベント「そっとナイト」がはじまった。 最初ということもあり、たくさんの人が集まり、大盛況だった。

「どこがそっとなんだ」、というツッコミもあり(笑)。
恐らく、これから回を重ねるごとに、より「そっと感」を増していくのではないかと思う。
気が向いたら、ぜひ遊びにきてください。
美味しいビールとおつまみ、ごく簡単なPAを用意してお待ちしております。
理想を言うなら、比較的親密な、でも開かれた場所であってほしいと思う。
また、演奏する人よりも「聴く人」が音楽を育ててくれるような場所であってほしいとも。
そして、いつか「ヴィオロンはある? ちょっと歌わせてくれよ」と見知らぬ若者が戸口に現れ、新しい時代の音楽の目撃者になることができればと妄想している(大袈裟)。
とはいえ、とりあえずは愉快な楽しい会です。
↓は、「アヒル」を歌いながら、踊る子どもが気になって仕方ない私。
2008年7月15日
ライブ3つ
先月から今月にかけて続けてライブが3つもあった。
私にしては珍しいことである。
まず、6/20幡ヶ谷のバーセンノーミにて、folha de lembrancaのお二人と対バン。
しっとりと「ジョビンの暗い歌」などを聴かせてくれる。
ここはまた、ライブ後の「飛び入り」ですごい人が出てきたりするので面白い。
今回はアベさんという女性がとても素敵な弾き語りを披露してくれた。
6/28は代官山アクビにてスティールパン他の川島イタルくんとのデュオ。
たまにやるこの組み合わせもだいぶこなれてきて、「三月の水」なんかは結構独自色が出てきたんじゃないかと思う。

去年もやったここのイベントは、とても素敵な雰囲気。
店長さんの人徳だろう。感謝。
7/7は青山月見ル君想フでイベント。
このような大きなライブハウスでやるのは、まったく初めてなので緊張した。
Moon Is Mineを歌ったときに、背景に月面の写真が大きく投影されたらしい。
歌っていた私は、気づかなかった。
菩薩ノバンドがかっこよかった。面白かった。必見です。
私にしては珍しいことである。
まず、6/20幡ヶ谷のバーセンノーミにて、folha de lembrancaのお二人と対バン。
しっとりと「ジョビンの暗い歌」などを聴かせてくれる。
ここはまた、ライブ後の「飛び入り」ですごい人が出てきたりするので面白い。
今回はアベさんという女性がとても素敵な弾き語りを披露してくれた。
6/28は代官山アクビにてスティールパン他の川島イタルくんとのデュオ。
たまにやるこの組み合わせもだいぶこなれてきて、「三月の水」なんかは結構独自色が出てきたんじゃないかと思う。

去年もやったここのイベントは、とても素敵な雰囲気。
店長さんの人徳だろう。感謝。
7/7は青山月見ル君想フでイベント。
このような大きなライブハウスでやるのは、まったく初めてなので緊張した。
Moon Is Mineを歌ったときに、背景に月面の写真が大きく投影されたらしい。
歌っていた私は、気づかなかった。
菩薩ノバンドがかっこよかった。面白かった。必見です。
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